the onishimemo

キッチン

最近、他人の台所の写真を見ることにハマっている。

台所は台所でも、真新しい台所ではなく団地とかにある使い込まれた台所がいい。洗練された調理器具が置かれている台所、住人の思想を反映した何も置かれていない台所、狭い空間をどうにかしようと工夫している料理上手な人の台所。

どれも好きだけど、若干そこに生活感が漂っているのが理想的だ。

先日、OURS.KARIGURASHI MAGAZINEの7days sceneで西島渚さんが団地の食卓を撮っていた。これがもうめちゃくちゃ最高だった。

7days scene 西島渚_01 – OURS.KARIGURASHI MAGAZINE

定期連載にして写真集を出して欲しいくらい。

連載終了後、西島さんが撮影の様子を振り返る中で、

インスタグラムは嘘のようにキレイすぎる写真が多くて、もっと生々しくてもいいのにな、とは思ってます。

団地の食卓撮影 by 西島渚 – OURS.KARIGURASHI MAGAZINE

と仰っていて、思わずウンウンと頷いてしまった。もっと生活感のある台所がインスタに上がってきて欲しい。

台所が好きといえば、吉本ばななの『キッチン』だ。

私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。

どこのでも、どんなのでも、それが台所であれば食事をつくる場所であれば私はつらくない。できれば機能的でよく使いこんであるといいと思う。乾いた清潔なふきんが何まいもあって白いタイルがぴかぴか輝く。

これは『キッチン』の冒頭部分。私が台所が好きになったのは最近なので、昔は読んでも「いい文章だな〜」くらいにしか思ってなかったんだけど、今はとても共感できる。(私はみかげほど強い台所への愛はないけど)
乾いた清潔なふきんが何枚もある使い込んだ台所っていい。

余談だけど、主人公のみかげは知り合いの家に住むことになる。初めてその家に行った時、みかげが台所を観察するシーンが今まで読んだ小説の中で五本指に入るくらい好きだ。「グラタン皿や大きなお皿があって気に入った」みたいなことをみかげが言うんだけど、グラタン皿と大きな皿のある台所は大体料理上手な人の台所だ。

もちろん、我が家にはグラタン皿も大きな皿もない。

ところで、先日観察していた豆苗がだいぶ育った。食べごろ。

今忙しいからナムルにしてしまおうかなと思う。私は忙しい時、まずいちばんに料理をおざなりにしてしまう。グラタン皿を買う日は遠い。

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